利益が出ているにもかかわらず、手元資金が不足して倒産することを、黒字倒産と言います。黒字倒産は、会社の資金繰りが悪化すると起こりやすくなるため注意が必要です。仮に資金繰りが悪化した場合、改善する方法はあるのでしょうか?この記事では、なぜか毎月手元に資金が残らないと感じている事業者向けに、資金繰りが悪化する原因や改善策を紹介します。
資金繰りとは?
資金繰りとは、会社の収入と支出の流れを管理して、資金の過不足を調整することです。資金とは現金、普通預金、当座預金、定期預金など、会社としてすぐに支払えるものを指します。
会社は利益さえ出ていれば、必ずしも安泰というわけではありません。
信用取引を行っている場合、商品やサービスを提供しても、実際に対価が支払われるのは30日後あるいは60日後などになります。仮にその間に仕入先や従業員の給与などの支払いがあり、手元に資金がまったくなければ、会社は倒産してしまうかもしれません。
このように会社は、会計上は利益が出ているにもかかわらず、手元資金が枯渇して会社が倒産に至る、いわゆる黒字倒産をすることがあるのです。
黒字倒産のリスクを軽減するうえで、資金繰りは重要な役割を果たします。
資金繰りとキャッシュフローの違い
資金繰りはキャッシュフローと混同されることがあります。しかし資金繰りは、将来の資金の流れを予測し、現在から将来までの資金の流れを把握する方法です。
対してキャッシュフローは、過去の資金の流れを表したものです。主に経営分析や財務体質の健全化に用いられます。
資金繰りが悪化する原因
資金繰りが悪化する原因は多岐にわたります。黒字倒産を防ぐためには、まず資金繰りが悪化する原因を把握しておかなければなりません。ここでは資金繰りが悪化する主な原因を4つ紹介します。
売上の急な増減
経済情勢や景気の悪化で売上が急減した場合、利益額が減少するため、手元資金の減少を招きます。一方、売上が急増したときも、大量の仕入れや新たな設備投資の必要性が生じる可能性があるため、資金繰り悪化につながりやすくなります。
長期にわたる赤字経営
収入が支出を上回ると、赤字経営に陥ってしまいます。赤字経営が一時的なものであれば問題ありませんが、長期間に及ぶと資金が減少し、資金繰り悪化につながります。
売掛金回収の遅れ
売掛金の回収が遅いと、手元に現金がなかなか入ってこないため手元資金が枯渇しやすくなります。
月間に何度も取引をしている場合、その都度決済をしていると会計処理の負担が増えてしまうため、まとめて決済したほうが効率的です。
このように企業間で一定期間の金額をまとめて受け取ったり、支払ったりすることを「掛取引」と言います。取引先から商品を仕入れたために発生する、代金の支払い義務のことを「買掛金」、商品やサービスを販売したために発生する、代金を将来受け取る権利のことを「売掛金」と呼ばれます。
売掛金は回収しない限り、資金として活用することができません。取引先のさまざまな事情で、売掛金の回収が遅れれば、手元資金の減少を招きます。
特に取引先の倒産は、売掛金が回収できなくなり、資金繰りが急激に悪化する可能性があるため注意が必要です。
過剰在庫を抱えている
在庫を持っているということは、仕入代金のみ支払っていて売上につながっていない財産を保有していることになります。品切れをすれば顧客の信頼を失うため、ある程度の在庫は持っておかなければなりませんが、在庫が過剰になれば資金繰り悪化につながります。
資金繰りを改善する4つの方法
資金繰りが悪化している場合、資金繰りを改善する対策を立てるか、資金調達の検討が必要です。ここでは、資金繰りを改善する方法を4つ紹介します。
資金繰り表を作成する
資金繰り表を作成しましょう。現預金の残高や売掛金や買掛金の情報を集めて、収入と支出を時系列にします。資金繰り表を作成することで、資金が不足する時期や減少傾向に陥っている点などが把握できるため、早めに対策が打てるようになります。
余裕を持って対策するためにも、最低でも3ヶ月先の予測を立てておくようにしましょう。また月次で作成するのが基本ですが、日時、年次で作成する方法もあります。
売掛金の早期回収
売掛金を回収するまでの期間が長いと、資金が枯渇しやすくなります。売掛金を前倒しで入金できないか、取引先に交渉してみましょう。
また取引先が倒産すると、売掛金が回収できなくなるおそれがあるため、取引先の売上や財務状況などの情報収集を日頃から行っておくことが大切です。
仕入先に原価や支払条件を交渉する
仕入先に、仕入代金の支払期限を延ばしてもらうと、自社からの資金流出が先延ばしにできるため、資金繰りが改善します。またすぐに効果は出ませんが、仕入代金の見直しも資金繰り改善につながります。定期的に仕入先との価格交渉も提案してみると良いでしょう。
在庫管理の適正化を図る
多くの商品を扱っていれば、売れずにいつまでも在庫として抱えてしまう商品もあります。また売れ筋商品だからといって大量に仕入れると、過剰在庫となり、置き場所を確保するために別の倉庫に移動させたり、他の商品と置き場所を入れ替えたりするなど無駄な管理コストもかかるでしょう。
日々の販売データから適正な在庫数を分析する、仕入先とリードタイムを交渉するといった方法で、在庫管理の適正化を図りましょう。
リードタイムとは注文から入庫までにかかる時間のことで、リードタイムが短ければ、それだけ自社で在庫を抱える量を減らせます。
資金繰りを改善するための資金調達方法4選
資金繰りは、資金調達によって回避できる場合があります。主な資金調達方法としては、以下のような方法があります。
- 銀行融資
- ノンバンク
- 補助金・助成金
- ファクタリング
各資金調達方法について解説します。
銀行融資
銀行融資は、メガバンクや地方銀行、信用金庫、信用組合といった金融機関から、融資を受ける方法です。利息の負担が必要ですが、運転資金や設備投資に必要な資金を借りることができます。ただし利用するためには、金融機関に事業計画書を提出し、審査に通過しなければなりません。
ノンバンク
銀行以外の金融機関である、ノンバンクから融資を受けることもできます。一般的にノンバンクの融資は、銀行融資よりも必要書類が少なく、店舗に訪問したり、面談したりせずにWeb完結で利用できる場合があります。ただし銀行融資よりも利用しやすい反面、ノンバンクのほうが金利が高い傾向があります。
補助金・助成金
補助金・助成金は、国や自治体が特定の要件を満たした事業者に交付する給付金です。返済不要で、要件さえ満たせば利用可能です。一方で申請枠や申請期間に制限を設けていることがある、要件を満たす書類が多く審査に時間がかかるなどのデメリットがあります。
ファクタリング
ファクタリングは、取引先の売掛債権をファクタリング業者に売却して、売掛金の入金日よりも早く資金化できるサービスです。融資とは異なるため、赤字決算であっても取引先の信頼性が高ければ、利用できる可能性があります。ファクタリング業者によっては、買取代金の即日振込にも対応しているため、急ぎで資金調達をしたいときに便利なサービスです。
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まとめ
資金繰りを管理することで、会社が黒字倒産に陥るリスクを軽減できます。資金繰りが悪化する原因はさまざまですが、資金繰り表の作成や、取引先や仕入先との交渉、在庫の適正化などで改善が可能です。また資金繰り表を作成して、早急に資金繰りの改善が必要な場合は、ファクタリングなどの資金調達を検討しましょう。
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