ファクタリングにおける債権とは?2社間・3社間の債権の流れも解説

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    ファクタリングにおける債権とは?2社間・3社間の債権の流れも解説

    ファクタリングは債権をファクタリング業者に譲渡して資金化する資金調達方法ですが、すべての債権を買い取ってくれるわけではありません。この記事では、ファクタリングにおける債権とは何か、2社間・3社間ファクタリングにおける債権の流れについて解説します。

     

    一般的に債権は5種類ある

    一般的な債権は以下の5種類に分類され、このうちファクタリングが可能なのは確定債権と将来債権の2つです。将来債権は2020年の4月1日から施行された民法改正により、ファクタリングができるようになりました。したがってファクタリングにおける債権とは「確定債権」と「将来債権」を指します。

    確定債権

    確定債権とは売掛債権のうち、商品やサービスが滞りなく納品され、入金額や入金日が確定している債権です。検収が済んでいない、あるいは返品などで金額や入金日が変わる可能性があるような債権は確定債権には含まれません。

    仕掛債権

    仕掛債権とは、商品やサービスの発注は受けているが、商品・サービスの提供が完了しておらず、入金額が決定していない債権です。

    給与債権

    給与債権とは、勤務先と雇用契約を結んだ従業員が、労働の対価をして給与を受け取るまでに発生する権利を債権と捉えたものです。

    将来債権

    将来債権とは、商品・の提供や入金日が決まっていなくても、契約書などで取引が継続的・反復的に行われている状態にあることで発生する債権です。

    不良債権

    不良債権とは、取引先の倒産などで、回収不能となった確定債権です。

    なお「給与ファクタリング」と称して、個人の給与債権を買い取って買取代金を支払い、後日個人を通じて資金を回収する業務を提供している場合、違法業者の可能性が高いため注意をしてください。

     

    民法改正によりファクタリングが利用しやすくなった

    民法とは日常生活における基本的なルールを定めている法律ですが、債権関係の部分が現代社会に合わなくなってきたことから大幅に改正され、2020年4月1日から施行されています。そのうちファクタリングに関連する改正点は以下の2つです。

    • 譲渡制限特約が付されていても債権譲渡は原則有効
    • 将来債権の譲渡が可能であることを明らかにする規定の新設

    これまでは契約の中で譲渡制限特約が付いていると、債権譲渡を無効とすることができました。しかし債権者の円滑な資金調達を妨げているとの声があったことから、民法改正により譲渡制限特約が付いていても、原則として債権譲渡は有効となります。

    法務省としては、ファクタリングを利用したからといって、特に不利益がなければ、取引先は利用者との取引を打ち切ったり契約を解除したりするのは合理性に欠けるという解釈が出ています。

    これまでは判例をもとに可能と解釈していた将来債権の譲渡について、明文化されたことで心理的に将来債権を利用した資金調達が利用しやすくなるでしょう。

     

    ファクタリングで債権を譲渡して資金調達する仕組み

    ファクタリングは「確定債権」や「将来債権」を譲渡して資金調達をする仕組みですが、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで流れが異なります。

    債権譲渡で資金調達をする仕組みを、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングに分けて解説します。

    2社間ファクタリングとは

    2社間ファクタリングは、利用者がファクタリング業者に債権を譲渡(売却)するファクタリングで、2社間で債権譲渡契約を締結します。

    債権譲渡の了承を取引先に得る必要がないため、スピーディに資金調達ができます。2社間ファクタリングなら、買取代金の即日振込に対応しているファクタリング業者も珍しくありません。

    利用者がファクタリング業者から買取代金を受け取った後、売掛金が取引先から入金されたら、利用者はファクタリング業者に返済します。

    ただし2社間ファクタリングは、売掛金が入金されても利用者が使い込んでしまったり、架空の債権を作り出してファクタリング業者から買取代金を騙し取ろうとする利用者に出会ったりするリスクもあります。

    2社間ファクタリングはファクタリング業者にとってリスクが高いため、3社間ファクタリングよりも手数料が高めに設定されているのが一般的です。

    3社間ファクタリングとは

    3社間ファクタリングは、取引先に債権譲渡の了承を得たうえで、ファクタリング業者に債権を譲渡(売却)するファクタリングです。利用者、ファクタリング業だけでなく、取引先も債権譲渡契約に関わる点が2社間ファクタリングと異なります。

    売掛金が直接取引先からファクタリング業者に支払われるため、2社間のように利用者が使い込んでしまったり、架空債権を作ったりするリスクがありません。

    ファクタリング業者にとってはリスクが低い取引のため、2社間ファクタリングより一般的に手数料が低めに設定されています。

     

    ケース別:2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの使い分け

    2社間と3社間ファクタリングはどのように使い分ければ良いのでしょうか?それぞれ紹介します。

    2社間ファクタリングがおすすめなケース

    2社間ファクタリングは次のようなときにおすすめです。

    • スピーディに資金を調達したい
    • 取引先にファクタリングの利用を知られたくない

    2社間ファクタリングは利用者とファクタリング業者でやり取りをするため、スピーディに手続きが進みます。

    申し込みから必要書類の提出、債権買取代金の振り込みまでWeb完結でできるファクタリング業者であれば、最短1~2時間程度で資金化が可能です。すぐに資金が必要な場合は、2社間ファクタリングを選びましょう。

    また2社間ファクタリングは、取引先に債権の譲渡を知らせる必要がありません。

    債権譲渡した事実を取引先に知られると、「資金繰りが苦しいのではないか」といったイメージを持たれてしまう可能性もあります。その結果、取引量を減らされたり、取引関係を見直されたりするリスクがあります。

    2社間ファクタリングは、ファクタリングの利用を取引先に秘密にできるため、そうしたリスクはありません。

    ただし2社間ファクタリングは、ファクタリング業者から債権譲渡登記を求められる場合があります。債権譲渡登記とは、債権を譲渡した事実を公的に証明できる手続きのことです。

    債権譲渡登記をすることで、ファクタリング業者は、同じ債権を複数のファクタリング業者に売却して二重に買取代金を受け取ろうとする、二重譲渡のリスクを回避できます。

    しかし債権譲渡登記をすると、法務局を通じて債権の状況を誰でも確認できるようになるため、ファクタリングの利用を取引先に知られてしまうリスクがあります。

    3社間ファクタリングがおすすめなケース

    • 手数料を抑えたい

    3社間ファクタリングは、2社間ファクタリングよりも手数料が安い傾向があります。

    ただし3社間ファクタリングは取引先も契約に関わるため、2社間ファクタリングよりも手続きに時間がかかります。資金調達に時間がかかっても、安い手数料でファクタリングを利用したいときは、3社間ファクタリングを選ぶと良いでしょう。

    また3社間ファクタリングを利用すると、ファクタリングの利用を取引先に秘密にしておくことはできないため注意が必要です。

     

    まとめ

    ファクタリングは債権を譲渡して、締め切りよりも早く資金化する取引のことです。しかしファクタリングはすべての債権を買い取ってくれるわけではなく、「確定債権」と「将来債権」が対象となります。


    また2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで手続きの流れが異なります。メリット・デメリットを理解したうえで、自社の現状に合った方法を選びましょう。

     

     

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