「100万円の請求書があるけれど、今必要な資金は60万円だけ」。このようなとき、請求書の全額をファクタリングに使う必要があるのか、迷う方もいるのではないでしょうか。
ファクタリングには、1枚の請求書の一部だけを買取対象にできるサービスがあります。ただし、申し込む金額と実際に受け取れる金額は同じではありません。
この記事では、一部買取の仕組みと手取り額の計算、残りの売掛金について確認することを解説します。
ファクタリングは請求書の一部だけ利用できる場合がある
ファクタリングは、事業で発生した売掛金を、手数料を負担して支払期日前に資金化する方法です。金融庁の解説
一部買取に対応しているサービスなら、請求書の額面全額ではなく、そのうちの一定額を買取対象として申し込めます。
例えば、バイオンの公式FAQでは、100万円の請求書のうち60万円だけを買い取る例が紹介されています。一部買取を希望する場合も、申込み内容について審査があります。バイオン公式FAQ
一部買取の可否や申込額の条件はサービスごとに確認しましょう。「請求書が100万円なので100万円すべてを売却するしかない」と決めつけず、必要な資金に合わせて相談することができます。
なお、請求書そのものの金額が数万円など小口の場合は、最低利用額も重要です。その場合は、少額ファクタリングの利用条件と選び方を参考にしてください。
請求額・買取対象額・手取り額はそれぞれ違う
一部買取を検討するときは、次の3つの金額を区別しましょう。
- 請求額:取引先に請求している金額。100万円の請求書なら100万円です。
- 買取対象額:その請求額のうち、今回売却する売掛金の額面。この記事では、手数料を差し引く前の金額を指します。
- 手取り額:買取対象額から手数料などを差し引き、実際に受け取る金額です。
「60万円必要だから、60万円分を申し込む」と、手数料の分だけ資金が足りなくなることがあります。申込み前に、買取対象額ではなく手取り額で必要な支払いに対応できるか確認してください。
100万円の請求書を使う場合の計算例
バイオンの公式FAQでは、サービス利用料は申請金額の10%、別途振込手数料500円と案内されています。バイオン公式FAQ
この条件を参考に、承認された買取対象額から利用料10%と振込手数料500円を差し引いて受け取ると仮定すると、計算は次のようになります。
手取り額 = 買取対象額 − 利用料 − 振込手数料
| 請求書の額面 | 買取対象額 | 利用料10% | 振込手数料 | 手取り額 |
|---|---|---|---|---|
| 100万円 | 100万円 | 100,000円 | 500円 | 899,500円 |
| 100万円 | 60万円 | 60,000円 | 500円 | 539,500円 |
| 100万円 | 67万円 | 67,000円 | 500円 | 602,500円 |
※計算上の例であり、各金額での審査通過や契約条件を保証するものではありません。ここで示すのは資金化時の手取り額です。売掛金の回収後にファクタリング会社へ送金する際の銀行振込手数料などは含めていません。
この例では、60万円分を申し込んだ場合の手取り額は539,500円です。手元に60万円を用意したいなら、67万円分を買取対象にすると、計算上は602,500円になります。
実際には、申込額の単位、端数の扱い、その他の費用も確認し、提示された見積りの受取額で判断しましょう。
一部買取を検討しやすい場面
一時的な支払いに必要な分だけ資金を用意したいとき
外注費や仕入代金など、入金前に必要な支払額が分かっている場合は、一部買取を検討できます。
例えば、月末に100万円の入金予定があり、その前に必要な支払いが60万円なら、手数料を含めて不足額を計算したうえで買取対象額を決めます。
その際は、今回の支払いだけでなく、次の入金までに発生する経費も確認してください。資金化した直後に別の支払いで不足しないよう、予定をまとめておくことが大切です。
全額を資金化すると費用が大きくなるとき
同じ料率・同じ固定費という条件なら、買取対象額を小さくすることで、支払う利用料の金額を抑えられます。
前の計算例では、100万円分の利用料は10万円、60万円分なら6万円です。ただし、一部買取では別の料率や最低手数料が適用されるサービスもあり得るため、実際の条件で比べてください。
また、後から追加利用すると、その都度費用がかかる可能性があります。利用を細かく分ければ必ず安くなるとは限りません。
一部買取の契約前に確認したい3つのこと
1.譲渡する範囲と、売掛金回収後の送金方法
請求書の額面が100万円で、今回の買取対象額が60万円なら、契約書でどの範囲の債権を譲渡することになっているかを確認しましょう。
合わせて、取引先から入金があったときの扱いも確認してください。
- 売掛金は誰の口座に入金されるのか
- 自分で受け取る場合、ファクタリング会社へいくらを送金するのか
- 送金期限と振込手数料の負担はどうなるのか
- 買取対象にしなかった残額は、いつ、どのように受け取るのか
一部買取で早期に受け取れるのは、買取対象額から手数料などを差し引いた金額です。買取対象にしなかった残額まで一緒に早期入金されるわけではありません。残額の入金時期と、回収後に送金する金額を契約で確認しておきましょう。
契約全体の確認事項は、ファクタリングの契約の流れと注意点でも解説しています。
2.残りの金額を追加で売却するときの条件
一部を買い取ってもらった後、追加で資金が必要になる場合もあります。しかし、「まだ残額があるから、別の会社にも自由に申し込める」とは判断しないでください。
先に結んだ契約で譲渡した範囲や、追加の譲渡に関する条件を確認する必要があります。追加利用を希望する場合は、先行する契約の内容を伝えて相談しましょう。
同じ債権の同じ部分を重複して譲渡しないよう、請求書番号、譲渡済みの金額、契約先を管理しておくことも大切です。
3.請求書の金額を自己判断で変更しない
100万円の請求書のうち60万円分を利用したい場合でも、元の請求書を勝手に60万円へ書き換えるのは避けてください。
取引先に請求している金額と、ファクタリングで希望する買取対象額は別です。取引内容と一致した請求書を用意し、希望額をサービスの指定方法で伝えましょう。
入力欄の意味が分からない場合は、請求額と必要な手取り額の両方を伝え、どの金額を入力するのか確認すると誤解を防げます。
バイオンは請求書の一部買取にも対応
バイオンのAIファクタリングでは、請求書の金額の一部だけを買取対象として申請できます。支払期日を過ぎた請求書は対象外で、利用には審査があります。バイオン公式FAQ
一部買取を検討するときは、次の3点を整理しておきましょう。
- 請求書の額面と支払期日
- いつまでに、手取りでいくら必要なのか
- 手数料を差し引いた受取額と、売掛金回収後の資金予定
全額を資金化する必要があるか迷っている方は、バイオンのAIファクタリングの利用条件をご確認ください。必要な資金と手取り額を照らし合わせ、無理のない買取対象額を検討しましょう。
※サービス条件は2026年10月23日に確認した公式情報をもとにしています。申込み前に最新の案内と個別の契約条件をご確認ください。

